たとえば明日とか

たとえば明日とか死ぬ

馬鹿みたい春みたい0時過ぎ上野公園

最後に会ったのは上野

誕生日を迎えたあの人にずっと使えるカレンダーを渡した

わたしと壊した関係を一生忘れないでと言った気がする

人生最後で一番の恋だと思ったけどあっけなくつまらない終わり方をした

 

季節が二つ変わったもう戻れない

緑色だったのにもう黄色に変わってひとりは寒かった

無理やり手を繋いで歩いた池まで行かなかった

もう思い出すこともなくなっていくんだろうとすら思った

あんなに大好きだったのにうまくいけなかった

せんせいに話しかける思い出すのは白衣を着てダサい靴を履いた人で無理してぴかぴかのニューバランスをはいているこうたくんじゃないよ

だからどうかわたしのためだけに平行世界なんてばかみたいなものがありますように

変な合皮のくつを履いて難しい話をするあの人とメイクなんてできないにきびを隠せないあの頃のわたしが互いだけがいればいいとわらっているつまんない世界がありますように