たとえば明日とか

たとえば明日とか死ぬ

どうでもいいから野菜スープの暴力受け取っておくね

愛ってなに?

なんだかもうよくわからないことばかりずっと考えている

おととい、風邪をひいた

そこそこに酔って松田さんの家に行って倒れるように寝て起きたら喉が痛くて、急に熱が上がった。直前でバイトを休んで、家で寝ていてと言う言葉に甘えて松田さんが野菜スープを作る音を聞きながら狭くて苦しい感じの睡眠を繰り返していた

スープを少しだけ、あと薬を飲んでまた眠って起きたら真っ暗で部屋にはわたししかいなくてさみしかった。ただ苦しいとさみしいだけが頭にぼやぼや浮かんで涙が出てきたから何にも考えないようにまた寝た。

いつも通り風邪の夢を見て、次に起きたら松田さんが出かけにセットしていったであろう洗濯機が動いている音がして、もうすぐ彼が帰ってくる時間になっていた

しばらくうたた寝を繰り返して曖昧な時間を過ごしているとドアの開く音がして1人きりの時間が終わった

わたわたと栄養剤やプリン(全く覚えていないのだが電話でプリンが食べたいとのたまったらしい)を冷たい手で差し出して冷却シートをおでこに貼る松田さんを眺めていたらまた涙が出てきて、弱った人間は嫌だなと他人事みたいに思った

薬をもう一度飲んだら少しからだが動くようになったのでシャワーを浴びて、彼が作ってくれたナポリタンを食べてまた寝た。

愛情ってそういうことなんだろう

風邪の日のスープとかプリンとか、そういうのを愛情って言うんでしょう

相手の手に残る殴った跡とか、次の週まで残る痣とか、そういうのは愛情って言わないんでしょ

泣いちゃいたいな

''普通''の愛情をこんなにもらったのに、それなのにまだ、痛みやくるしさを愛情だと思いたい自分が悲しくて悔しくて泣いちゃいたい

もうちょっと、あと少しだけ頑張って大人になればいつか普通の愛情がわかる日がくるのだろうか

真っ当な愛情をまっすぐに受け取ったり自分の優しさも嘘ものじゃないと思える日はくるだろうか

そんな日がきても今までの自分も他人も許して前なんて向いていけるだろうか

今は全部なんてわからない

わからないからとりあえずスープもプリンも、優しさの暴力として受け取っておくことにする

痛くない暴力だ

こうして過ごしていたらいつかきっと悩まなくなる日も、愛情も優しさも知る日も来る。

だって頑張るし、だからまなちゃんは絶対にもう大丈夫

さて、まあそういうわけで大絶賛体調不良で声が出なくなったのでお前らも風邪には気をつけてね、おやすみ