たとえば明日とか

たとえば明日とか死ぬ

トウーオールド・トウーダイ

なぜか7ヶ月ちかく身を潜めていた性欲が突然あらわれた

そして、なぜか、特にエロい動画を見るわけでもなく、文を読むわけでもなく、泣いて泣いて内定、といういつかのどこかの企業のキャッチコピーを思い出しながらオナニーをした

特に楽しくも気持ちよくもなかったので、途中から泣いた

泣くまでもなく泣きたかったから、そんなキャッチコピーを思い出していたのか、そんなキャッチコピーでふざけたオナニーをしているふがいなさみたいなものに泣いたのかわからない

夫が昨晩、セックスを柔らかく断ったから泣いたのだというのがなんとなくの結論だけど、わたしは本来セックスを断られたからといって泣くような人間ではない

だから実際のところ理由はわからない。性欲が戻ってきた理由もわからないし、これを書いている今は二度とエロというものに関わりたくない気持ちでいっぱいである。(にんげんはこの時間を賢者タイムというね)

それで、わたしはもっと強かった、というのが今のところの感想である。

精神科で睡眠剤なんかを処方されなくても市販の薬をオーバードーズして眠れたし、死んでしまいたいときには鼻水をだらだら垂らしながらドアノブで首を吊って、セックスをしないような男はすぐに切り捨てて、次だー!と言ってしまえる人間だったのに

いつのまにか、2週間に一度の精神科は欠かせないものになってしまったし、死にたい時には予備で処方された安定剤を震える手で流し込んで、7ヶ月間セックスをしない人に、税金を100万円近くも滞納している人に、春休みにたった1日の休日を取ることもしぶる人に(もちろん良いところもたくさんあるけれど)、へらへらと笑顔を振りまき、妻という役割をそつなくこなして、今もこうやってご丁寧にかっこまでつけて夫を庇い、そんな自分を馬鹿みたいだと意地悪な顔をする感情はずっと見逃して、泣けない人になってしまった

泣けないのは弱いからだ

でも今日泣いたからと言ってわたしはもう前みたいに強い人にはなれない

だから全然楽しくない

わたしは今のわたしが嫌いだ

軽蔑すらしていると思う

ずっと死んでしまおうかと思うけど、今死んでも一文の得もしないからとりあえずいきている

いつ死んだってお前のような人間は得しないよ、と思うけど、死ぬには歳をとりすぎてしまった

残念無念だ