たとえば明日とか

たとえば明日とか死ぬ

まーくんの話

婚約破棄した。もう1年も経った

前にも何度か書いたけどなんとなく元婚約者の話をしたいから書こうと思う

元婚約者は今年26歳になる

5歳年上で、高校生の時バイトしていた居酒屋の先輩だった。見た目がどストレートタイプで、就職で一度地元に戻った彼が1年目の夏頃埼玉に配属になったタイミングで押しに押しまくり、付き合うことになった

当時わたしは高校3年生だったので彼は立派なメンバーとなるのだがまあそれはいいとして会うたびにすっごく好きになった

大好きで大好きで仕方なくて一緒にいたすぎて大宮千葉間の定期を買い、平日埼玉に泊まり朝6時に起きて千葉のバイト先に行く生活をしばらくした

卒業と同時にまあまあ渋っていた彼をがっつり丸め込み、家に転がり込んだ

それからわたしは大宮ルミネで販売の仕事を始め、なんとなく穏やかに毎日すぎた

好きだとは一度も言わなかったけど、好きって言ってようあうあうわわあああああと喚くわたしに、好きじゃなかったら一緒にいないでしょと言い半ば強引に黙らせるところが好きだった

たまに喧嘩をしたり怒られたりして夏になって猫が来て花火を見た

お仕事に行くときほっぺにキスしてアメリカン〜と言って送り出すのが習慣になって毎日幸せでスキップしながら出勤した

秋になって仕事に行きたくなくなって死にかけているわたしに彼は死ぬのは怖いから一緒に生きようと言った。この人がいるなら生きたいかもなあと思った

午後2時ころ起きて洗濯物やっといてよ〜というラインが来るのが鬱陶しくてご飯を作るのも面倒くさくて、でも毎日彼が帰って来るだけでもうなんでも頑張る大好きとアホみたいに思っていた

寒くなって冬が来て猫は去勢をしてわたしは異動先の新宿の店舗に慣れた

ただいまと帰って来る彼の鼻先は冷たくてご飯を見て美味しそうじゃんってキスしてくれる顔が好きだった

もうすぐ冬が終わるというとき彼の異動が決まった

遠距離は嫌だ結婚しようとただをこねてまたもや言いくるめた

2月に結婚指輪を買った。e.m.の銀色のリングで内側にダイヤとイニシャルを入れた。ずっと一緒にいたいと本当に思った

春が始まるころずっと好きだった人に会った。その人はかとうさんのことが好きだったから婚約破棄してくれと今更意味不明な事を言った

わたしはただただどこまでもわがままで子供で何も選べなくて3ヶ月間春が終わるまで泣き続けて結局2人ともと別れた

それ以来彼とは会っていない。この世で1番合わせる顔がないという言葉がぴったりな相手だと思う

こないだ偶然見かけたからああ好きだったなあと思って眺めた

今日爪を切っていたら急に彼のことを思い出したので書いた

特におちもなければ楽しいこともない1年間の話