今日の朝死んじゃおうかと思ったけどやめた
松田がわたしより苦しい顔をしたからやめた
いつも通り朝6時過ぎの新宿駅で、わたしは家に帰ってズタボロだったときと同じようにオーバードーズして首でも吊ってやろうと密かに思った。
それなのに松田がわたしをズタボロにしてくれないから、どうでもいいものとして扱ってくれないから、死ぬのをやめてしまった
わたし今日絶対面倒くさいから家に帰る、という、もうすでに面倒くささで満ち溢れた一言に松田は嫌だったらいいけどしんどいならうちにいたら?と言って、結局ホームでも帰り道でもぐずぐず泣く面倒くさいわたしを家に連れて帰った
家に着くと死なないならいくらでも困らせていいとか、しんどい時はしんどいって言っていいんだなどと言われたのでいよいよ本降りで泣いて、しばらくぼんやりしてからもうぼろぼろになる愛は嫌なことや松田は正しい愛情のやり方をするから好きになったこと、それから死なないように頑張るとこたえた
松田は不安なのか眠いのか疲れたのかわからない顔をしていたけど、満足気な顔をして頷いて、それなら頑張ろうと思ってたけどもう二度とまなを殴らない、俺は殴らないやり方しかできないけどいい?と聞いたので、それでいいと返した
ずっとズタボロでいれば同じようにわたしをズタボロにした母親のやり方が正しかったのだと思えるけれど、松田はわたしをズタボロにしないし、正しかったから、今までが間違いだったことに気づいてしまった
だからもう間違ったままではいられないのだと思う
間違いだった今までを真っ向から否定する強さもなければ間違ったまま生きるほどおちられないわたしはやっぱり強くなって今までを否定しなきゃいけない自分を肯定するしかないのだ
頑張るわたしを見守ってやると松田が言ったから、いつでも心配してご飯に行ってくれる数少ない友人がいるから、だから頑張る
なにもかも踏み台にしてすすめ!まなちゃん!