死にたくないと泣いている
特に何があったわけではない
死ぬのが怖い
猫も松田もわたしもいつか死ぬ
それが怖くて泣いている
逆にいうと死ぬのが怖くて泣けるようになったのだ
死にたくて死にたくて毎日泣いていたこと後悔している
どうか楽に死なせてくれと祈った分、ずっとつらくてもいいから不死にしてくれと何倍も祈るような日々である
ブログを初めて松田に会って、死にたかったのに死にたくなくなってしまった
ずっと弱くなった
病気も事故もなにもかも怖くて、あわよくば急な病や不慮の死を、と願っていたころのある種の強さを全くなくしてしまった
しあわせが怖かった
さっきまでぐずぐず泣いていたわたしを松田は笑って抱きしめた
しあわせは怖くなかった
むし暑くて重い毛布はしあわせだった
鼻水と涙まみれでやっぱり死にたくないともう一度泣いて、起き上がって猫に擦り寄るとうっとおしそうな顔をされた
これから何度も思い出すだろう
死にたかった汚い泣き顔の18歳は死にたくない21歳になった
死ななくてよかった